それは2005年にさかのぼります。
この年は地球温暖化の報道が一気に世界をかけめぐった年です。
毎年趣味でブレンドするために購入していた乾燥ハーブが、今年は全く違うもの・・・。
これはローズマリーじゃない・・・香りもしないし、形も長く、全く別の植物に見える・・・。
驚いたことに、ハーブのメーカーさんがわざわざお見えになり、首をひねります。
「調査してみます」と誠実なお答えを残して帰られました。
後日その方が結果を持ってお見えになりました。
「いろいろと調べてみましたが、今年は一般的に収穫物が良くありません。
長雨と高温で、特にヨーロッパからの産物はダメージを受けています」
確かにその年はセーヌ川で沐浴していた方や、
パリの一人暮らしのお年寄りが熱中症の為に亡くなるという事故が多発しました。
同時に長雨のために大きな水害も発生し、気候変動の結果が実際に目に見える形となって
世界中で報告され始めた年でもありました。
長雨で徒長した葉っぱ。日照時間が足りなかったのか、
香りがないローズマリーの葉っぱを自分のてのひらに乗せて、物言わぬ植物の故郷を想いました。
植物は動けませんから、環境の影響をもろに受けます。
言葉を持たない植物が、このときばかりは強烈に主張していました。
永年植物を育ててきた私には、このローズマリーがなにか「大きなメッセージ」を投げかけているように思えたのです。
周囲の方にローズマリーの一件をお話しするうちに、
「そうだ、私のハーブソルトを通して、言葉ではなく、味で伝えることが出来る!」と考えるようになったのです。
ハーブの香りや味は、毎年違って当たり前、無理に手を加えることなく、ありのままを感じていただこう。
自分には何も得意なことはないが、植物に代わって出来ることをやってみよう。
商売のことなど何も知らない私が、商品化を決意した日でした。
今でもこもれびガーデンの無添加ハーブソルトのパッケージにはその日の驚きを記しております。
この商品がその後のこもれびガーデンの商品開発の指針となりました。
食品添加物を一切使用せず、自然の物だけを自然な形でお届けする・・これが私たちの使命です。